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詩仙堂の隣にある八木神社と150m程離れた坂ノ下にある一乗寺下り松 |
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剣聖『宮本武蔵』と八大神社
吉川英治「随筆 宮本武蔵」より
武蔵が一乗寺下り松に立って多数の敵にまみえた日のまだ朝も暗いうちに、彼は、死を期したこの危地へ来る
途中で、八大神社の前で足を止めて、「勝たせたまえ、きょうこそは武蔵が一生の大事」と彼は社頭を見かけて
祈ろうとした。拝殿の鰐口へまで手を触れかけたが、そのとき彼のどん底からむくむくわいた彼の本質が、その
気持を一蹴して、鰐口の鈴を振らずに、また祈りもせずに、そのまま下り松の決戦の場所へ駆け向ったという。
武蔵が自分の壁書としていた独行道のうちに、我れ神仏を尊んで神仏を恃(たの)まず と書いている
その信念は、その折ふと心にひらめいた彼の悟道だったにちがいない。武蔵にこの開悟を与えたことに依って、
一乗寺下り松の果し合いはただの意趣喧嘩とはちがう一つの意味を持ったものと僕はそう解釈する。 |
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一乗寺下り松
平安中期から中世にかけこの辺り
に一乗寺という寺があった。
ここにあった松の下で江戸初期の
剣客宮本武蔵が吉岡一門数十人と
決闘したという伝説の場所。
八木神社には当時の松の古株が
保存されている。
この松の木は4代目にあたる |
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